ほんだカウンセリングオフィス

臨床心理士・公認心理師を持つほんだカウンセリングオフィスの室長による日常で役立つ心理学講座です。

バウムテストの解釈の仕方を臨床心理士が解説する

バウムテストの解釈の仕方を臨床心理士が解説する

 

皆さん、こんにちは。

 

皆さん、自分の心の内の状態が絵を描くだけでわかると言われたらやってみたいと思いますか。それとも自分の心の内の状態なんた知りたくないという人がいるでしょうか。心理学では長い間、人の心の内を絵から考えていくということを行っていきました。

 

今回は、特に長く様々な研究や実施が行われてきたバウムテストという一本の実のなる気を描くことによってその人の心の内の状態がわかる投影法と呼ばれるテストについて、埼玉県でカウンセリングを行う臨床心理士公認心理師の筆者が、お話したいきたいと思います。

 

投影法とは

 

まず始めに今回のバウムテストも属する投影法(とうえいほう)とはどのような方法の心理テストなのかということをお話していきたいと思います。投影法とは、無意識に潜む欲求や感情などを引き出す精神分析的発想に基づくもので、今回ご紹介するバウムテストやロールシャッハテストなどが代表されるものです。

 

元々は投影なので「光の当てた影を映し出すもの」というラテン語から来たものです。つまり、皆さんのイメージいうところの無意識の部分がわかる心理テストされるのが投影法です。

 

他によく使われる心理テストとして、質問紙法といういわゆる「いいえ」「はい」などのチェックリストからその人の心の状態を把握する心理テストがあります。これはやったことがある方であればわかると思いますが、質問を読んで意図的に嘘をついたり、自分を良く見せたりということができます。

 

しかし、この投影法という検査は自分が意図して調整することが難しい検査と言われています。代表的なロールシャッハテストというインクの染みから発想するものを解釈していくという方法は、自分を偽って調整することが難しいと言われています。せっかくなので実際にやってみてもらいと思います。

 

以下の絵からどんなイメージをするでしょうか?」

 

皆さんは上のインクの染みからどのようなイメージをしたでしょうか?「花が開きそうなところ」「ちょうちょうが羽ばたいているところ」「くるくると回っているところ」などいろいろイメージが湧くのではないでしょうか。

 

これは実際の図版ではありませんが、実際にこのような図版からイメージをしてもらいます。これでイメージしたものから解釈してその人の無意識を解釈していくのが、投影法です。少し体験してもらってわかったと思いますが、質問紙法のようになかなか調整することが難しいので自分の無意識がわかるのです。こんな偽ることの難しい投影法の中の一つであるバウムテストの紹介と具体的なやり方と解釈の仕方をお話していきたいと思います。

 

バウムテストとは

 

投影法というテストがどのようなものかがわかったところで、バウムテストとはどのようなものかをご紹介していきたいと思います。バウムテストとは、先ほどから言っていますが、実のなる一本の木を描くテストです。

 

バウムテストは、心理学者のコッホ(Koch,K)が考えた投影法(無意識がわかる)心理テストです。一本の木を自己像と見立てて、その人の精神状態やパーソナリティの査定(アセスメント)していきます。以下の特徴があると言われています。

 

①言葉で説明が苦手な人に実施可能

年齢の小さい子供であったり、言葉で表現することが難しいような場合であっても実施することができます。先ほど紹介した質問紙法は文章が読めてそれに答えなくてはいけないので、小さい子供への実施が難しいことがありますが、このバウムテストは手順も簡単なので比較的簡単に子供やお年寄りまで実施することができます。

 

②個別だけでなく集団でも実施可能

先に紹介したロールシャッハテストなどの投影法の検査であったり、WAISWISCの知能検査は、一対一の個別で行うのが一般的ですが、このバウムテストは一対一の個別での実施はもちろんのこと、学校でクラス全員に実施したみたりなどというように集団での実施も可能なものです。

 

③筆跡学や空間象徴論に基づいて見ていく

バウムテスト(木を描くテスト)でその人の無意識がなぜわかるのかというと、筆跡学や空間象徴論などという過去のデータや理論に基づいてその人の心の状態を見ていくためです。どの投影法の検査でもそうですが、木の絵からその人の心の状態を読み取るにはある程度の熟練が必要だとも言われています。また、心の状態のすべてがわかるわけではなくあくまでその人の一部がわかる検査のため、テストバッテリー(他の検査と組み合わせる)として使われます

 

バウムテストの実施方法

 

それでは次にそんなバウムテストの実施方法を見ていきたいと思います。比較的簡単に行うことができるので、良ければ皆さんの以下の手順に沿って実施してみて下さい。

 

バウムテストの準備

準備するものはいたってシンプルで以下の3つのものがあればいいだけです。個人的には鉛筆ではなくシャーペン等でも大丈夫だと思いますし、ちょっと寄ってみるのであれば、A4のコピー用紙でも十分だと思います。一応、本来のバウムテストの準備をご紹介しておきたいと思います。

 

・えんぴつ

・消しゴム

・A4の厚紙

 

バウムテストの実施方法

 

上記のものを準備できたら次にバウムテストの実施方法をご紹介していきたいと思います。実施方法としては、検査者が以下のように教示して被験者がその教示を聞いて木を描いていきます。

(教示)一本の実のなる気を描いてください。

 

この教示から自由に気を描いていきます。一本の木というように指定されるのが一般的ですが、木を複数描いてもいいですし、実を描かなくてもよく、自由に描いていきます。描いた絵からその人の心の状態を解釈していきます。作業時間も記録する場合もありますが、時間は気にせずに描いてもらいます。

 

バウムテストの解釈

 

それでは、最後にバウムテストの解釈仕方を見ていきたいと思います。以下の5つの観点から見ていきます。もっと詳細な分析や解釈を行う場合もありますが、もしも先ほどの実施方法から木を描いたのでしたら、5つの部分から自分の絵を見てみて下さい。

 

①木の位置

木を用紙のどの部分に描くのかというのをまずは見ていきます。用紙の位置で大まかな心の状態がわかっていきます。以下の表にまとめてみたので

 

木の位置 心の状態
用紙の左側にある 存在が薄く、内向的になっている
左端で半分しか描かれていない 無理して社交的に振るまっている
用紙の右側にある 支配的で、自己中心的になっている
右端で半分しか描かれていない 消極的に振るまっている
木が上部で浮いている 空想や観念の世界に留まっている
画面に収まりきらない 利己的になり枠に収まらない
根が地面から浮いている 自分を現実以上に見せようとしている

 

②木を見る視点

 

 

木をどの視点に立って描くのかというのもバウムテストでは大切な解釈を行っていく視点になっていきます。主に下からの視点なのか、上からの視点なのかという2つの点からお話しておきたいと思います。

 

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